【ESAT-J】中学校英語スピーキングテスト対策は教科書の復習からはじめましょう

中高大学生英語

令和4年度から都立高校入試に導入されたスピーキングテストの【ESAT-J】。
どのような対策をすればいいのか?
実施からまだ2年、さらに来年度からはテストを作成する団体も変わるとのこと。不安だと思います。
でも、特別なことをする必要はありません。まずは、スピーキングテストの内容を確認して、すぐにできること=教科書の復習から始めましょう

この記事では、
1. 【ESAT-J】スピーキングテストはどのような内容(Part)に分かれているのかを確認します。
2. 令和4年、5年度の問題を検討し、今日からできる対策をお伝えします。
対策の第一は、教科書の内容を音読すること
第二は教科書のUnit 内や付録のページに載っているイラストについて話せるように練習をすることです。
現在中2の方は来年度のテストまで今から1年弱ありますね。
毎日10分取り組むことで、テストまで十分な準備ができます。

スピーキングテストの構成について

Part A:音読問題 2題  40~45語の英文を音読する。準備時間、解答時間は各30秒あります。

Part B:与えられた情報を元に、質問に答える問題が3題と、受験者が質問する問題が1題。
    準備時間、解答時間は各10秒あります。 

Part C:4コマのイラストを説明する問題が1題。準備時間は30秒、解答時間は40秒あります。

Part D:パッセージを聴き取り、その内容に関して自分の意見と、その理由を述べる問題 1題。
    準備時間1分、解答時間は40秒あります。

テストの目的、流れ、対策などについて、東京都の【特設ページ】中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)があります。
必ず確認してください。説明動画もあり、とてもわかりやすいです。↓

【特設ページ】中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)|東京都教育委員会ホームページ (tokyo.lg.jp)

英文を音読することを日課にしましょう

令和5年度の問題を見て、音読することは重要だと思いました。音読はどのようにすれば良いのでしょうか?

「音読の仕方」はNew Horizon2、p. 69に載っています。教科書では、音読の仕方を3つのSTEPに分けています。

1. 文を大まかにとらえよう
教科書の先生(イラスト)のアドバイスは「発音を知らない単語があっても、音と文字の知識を使って、声に出して読んでみましょう」です。

スピーキングテストには各パートに準備時間があります。Part Aでは音読する前の30秒の間に、知らない単語が出てきても、自分なりの読み方で、それらしく発音し、なんとか読みきりましょう。発音に迷っていると、あっという間に解答時間の30秒が過ぎてしまいます。

令和5年のESAT-Jの問題をみてみます

Part AのNo.1の音読問題にある “together”は正確に読めるでしょうか。この語は、Part Cの4コマ目のイラストの説明で使えますね。
「最後に、私たちは一緒に走り終えた」と答える必要があります。
ここで、「一緒に」の “together” を使えるか、Part Aの音読問題で出ていた単語を思い出せるか。この一語で英文に差がつきそうです。

同じく、Part AのNo. 3の音読問題に出ている “singing”, “songs”, “sang” など音楽に関する語が出ています。下線部はいずれも正しく発音したい語です。
この音読問題もPart Bとの関連があります。

No.1のイベントポスターを見て解答する問題は、直前の音楽系の語から、 “music” と出てくるように配慮されているのかもしれません。イラストの様子から “music concert”と解答する生徒もいるでしょう。

教科書を使って対策する

Part BのNo. 2の問題は中2の教科書で対策できます。p. 70 「電車の運行情報」の聴き取りと、  p. 81  の「電車の乗りかえ」の学習のミックス問題です。授業で取り上げなくても、各自で電車の路線図を見ておくことは大切です。

また、No. 4の問題は中1の教科書で対策できます。  p. 81の “Let’s Climb Mt. Fuji” の内容(登山道の選択)を簡潔にした問題と言えます。   

2.  文の意味の区切りをとらえよう

知らない単語の意味を調べること、文の意味の区切りを考えて読むことが大切です。スピーキングテストの採点基準を見て言えることは、文を読んでいるときに「聞き手の理解の支障にならない」、そして「不自然なところで区切らない」(採点基準:saiten.pdf (tokyo.lg.jp) 参照)ように音読できているかが重要です。

3.  文を音読しよう 

1と2の準備ができたら音読しましょう。できれば、英文を覚えるくらい何度も読むのが理想です。読んでいくうちに英語のリズムにも慣れてきます。

学校の授業では音読する時間があると思います。教科書の音読は、先生の英語の後にリピートするのか、またはCDを使ってリピートするのかは先生の方針かと思いますが、どちらでも同じです。音読する時に手を抜かず、真剣に発音してください。

週に3回か4回の英語の授業中、音読をする時間は3分くらいでしょうか。月単位、年単位、中学3年間の時間数を考えると相当な時間数です。

【ESAT-J】に向けて、日頃から準備したい4つのこと

 正確に発音することを習慣づける

日頃から、単語の正しい発音ができるように練習しましょう。また、単語の正しいアクセントの場所も確認しましょう。

2 イラストを見て、瞬時に状況の把握をする練習
これは特に、Part Cの対策です。教科書や問題集などに載っているイラストを見て、覚えているフレーズ、使えるフレーズを思い浮かべる。特に、動詞を入れて練習しましょう。

例えば、令和5年度のPart Cの問題では、「走る」、「(帽子を)落とす」、「拾う」という基本的な動詞を言う必要があります。
そのためには、

・  教科書に出てきた表現はすべてインプットしておく
・  いつでもそれらをアウトプットできるようにしておく
日々の練習が必要です。学校の登下校、通学時間などで、その日の行動を思い出して音に出して練習しましょう。

何を言えばいいのか?

・教科書を使いましょう。例えば、New Horizon 1 の Small Talk 1: p. 56では、「好きな教科」を話す練習ができます。さらに、 Small Talk 2: p.100では、「昨日の∼時に何をしたのか」を話します。過去進行形の練習ができます。このとき、必ず「答えとその理由、説明をセットで」練習する。・教科書の付録部分(p. 154, p. 155, p. 165 )にも普段から目を通しておく

年間の行事、学校行事について考える。また、それに関連する想いや意見などを言う。自分が言える表現を英作し、辞書などを使って表現を修正して、インプットしておく。自分で考えた表現は、また同様の状況になったときに思い出せます。

 自分の意見をまとめる練習をする

Part Dの対策です。自分の意見と言いますと、つい構えますが、難しく考えずに、自分が表現できる身近なことから始めてみましょう。

教科書で対策するは、New Horizon 3の p.99, 「食品の選択―賛成する・反対する」と  p.102~105の “Let’s Have a Mini Debate” が良いです。
授業で学習する時間がなかった場合でも、自分でやっておきましょう。大変重要な内容です
p.99の各ステップを読み、音読し、最後に自分の立場を述べましょう。
賛成する場合は、I agree with ~. 反対する場合は、I disagree with ~. (教科書に他の表現も載っています)
そして、必ず理由を述べましょう。つまり、この学習項目では、自分の意見については、理由付けが必要だということです。

そして、自分の考えや意見は簡潔な英語にしておきましょう。
状況を考えるのは、母語で考えますよね。母語だから、どうしても難しい言葉が思いつくのですが、英語はその表現や語に追いつけていません。日本語で思いつくフレーズを英語ではどのように言えるのかな?言いかえるとどうかな?という練習を普段からしておきましょう。

この練習は、高校で、さらに大学受験の英作対策にも成果を発揮できます。
また、この教科書の内容(p.99)の類似問題が英検2級のライティングで出題されていました

4 リスニングの練習をする

Part Dでは、英語で話される音声を聞いて、質問に答える問題です。話の内容と質問を正確に理解するためのリスニング力も必要です。どのように対策すればいいのか?

教科書の内容はORコードで音声にアクセスできます。授業で進んだUnitの復習は必ずやりましょう。音読とリスニングはつながっています。自分の発音とネイティブの発音の違いなどもチェックしながら進めましょう。

テストでは音声は2回流れます。1回目に知らない単語が出てきても焦らずに。文脈から推測して理解できる、と信じて2回目の英文を落ち着いて聴き取りましょう。しっかりと聴き取った後に、自分が述べることを準備すればよいのです。

まとめ

令和5年度の問題から例を出したように、スピーキングを練習する題材は、中1と中2の教科書にそろっています。

教科書は大判でイラストのページも多く、視覚にすぐに入るので使いやすいと思います。ひと手間かかりますが、音声も聴くことができます。日頃から準備したい4つのことを確認します。

1 正確に発音することを習慣づける
2 イラストを見て、瞬時に状況の把握をする練習をする
3 自分の意見をまとめる練習をする
4 リスニングの練習をする

以上の4つのことは教科書だけでも、かなりの練習ができます。でも、さらに対策したい人はラジオ講座などでより多くの英語を聴き【ラジオ講座】は【あなたの英会話の先生】になってくれます)、表現をインプットしておくこともお薦めします。

中1と中2の方はこれから1年、あるいは2年の準備期間があります。さっそく教科書の復習をしましょう。この時、音声も一緒に聴ける準備をして。また時間にあるときに気分転換としてでもいいと思います。付録ページにも目を通してみましょう。
また、別の記事にも対策を書いていますので参考にしてください。↓
【ESAT-J】中学校英語スピーキングテスト対策:オンラインレッスンの活用、英検との関連性について。生徒の募集をします

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